不動産投資熱が高まる東京で今問題なっているのがサブリース契約に関するトラブルです。
サブリースとは家賃保証の一種で、アパートやマンションをまるごと一括で借り上げて又貸しをすることで物件オーナーに一定の家賃収入を保証する仕組みのことです。
不動産投資において不安定な家賃収入は最大のリスクですが、一括借り上げで安定した家賃収入が確保できるサブリースは新たな不動産投資として副業投資家を中心に人気を集めました。
サブリース物件でトラブルが続出
ところが、現在東京の不動産業界ではサブリース物件でトラブルが頻発しています。夢の賃貸経営とまで言われたサブリースでいったい何が起きているのでしょうか。
サブリース物件でトラブルになっているのが一括借り上げに関する一方的な契約内容の変更です。多くのサブリース物件は運営会社が投資先を探すオーナーに投資を提案し、物件選びからローン契約まで全面的にサポートする形で進められます。
契約上はオーナーが所有する物件を運営会社が借り受ける形になっていますが、実態としては運営会社が用意したプランに対して投資家は資金を提供するのみというケースがほとんどです。
マンションの所有権はオーナー名義ですが管理運営は全面的に運営会社が手掛けており、購入したマンションを一度も見たことがないというオーナーは珍しくありません。
サブリース型の不動産投資では最初に結んだ契約内容がきちんと履行されるのが大前提です。
マンション一棟を借り上げる賃料として毎月500万円を支払う、といったような契約内容をローン完済予定の20年ないし30年といった長期契約で結ぶのが一般的なサブリース契約のスタイです。
長期契約を結ぶことで安定した家賃収入が約束されるのですが、最近になって一方的に家賃を引き下げられたり契約を解除されたりするトラブルが急増しています。
オーナー側に一方的に不利な契約変更が頻発する主な理由は東京の不動産事情の激変にあります。
リーマンショックとそれに伴う不動産市場の急速な冷え込みに始まりオリンピック特需よるプチバブルの発生、不動産投資ブームによる賃貸物件の過剰供給、少子化の影響からくる入居希望者の減少など猫の目のように目まぐるしく変化し続けています。
そんな東京の不動産情勢に対応できずサブリース賃貸経営から撤退、中には倒産する業者が表れたことがトラブルの原因です。
オーナー側の無知に漬け込む形で一方的に有利になる契約を押し付けていた悪質な業者も確認されたことでサブリース問題は社会問題化しています。
国土交通省は事態を重く見て公的な相談窓口を設置するほか、新たにサブリースを検討している投資家に対し契約内容の確認を徹底するよう注意勧告しています。