タイの賃貸不動産事情
タイは10万人近くの日本人が暮らすと言われています。そのほとんどが首都バンコクで、
世界の都市ではアメリカのロスアンゼルスに次いで2番目の人口です。
居住する日本人のほとんどは日本の会社から派遣された駐在員とその家族で、その他では現地で就職した方やリタイアメントビザを利用して定年後に他で暮らす人たちがいます。
どのような場合でも、海外で暮らすとなると心配なのは住宅事情ではないでしょうか。
タイは、東南アジアの中では治安の良い国と言われますが、日本の治安とは全く異なります。
それだけにセキュリティのしっかりした所に安心して住みたいものです。
本記事は、これからタイで賃貸住宅を探す方に参考になる住宅事情を解説します。
タイの賃貸住宅とは
タイの賃貸住宅は、コンドミニアムやアパートメント、住宅が連なるタウンハウスや一軒家などがあります。その中で外国人が生活するに適した賃貸住宅は、コンドミニアムかアパートメントになります。
コンドミニアムは日本では大規模マンションやタワーマンションと呼ばれて、分譲された部屋をオーナーから借りて住むことになり、タイ語では(コンド―)と呼ばれます。アパートメントは、建物一棟を一人のオーナーが所有する日本の賃貸マンションのような住宅です。
これらの住居は、施設内に管理事務所が設置されて、セキュリティもしっかりしているところが多いため外国人に適した住居と言えます。
一方、タウンハウスや一軒家はセキュリティが脆弱でオーナーは外国人に慣れていないことが多いため、タイ語やタイの事情に精通していない場合は避けた方が良いと言えます。
タイで賃貸住宅を探す方法
タイで賃貸住宅を探す場合は、現地には不動産会社がほとんどありませんので、インターネットのサイトや直接目当てのコンドミニアムなどに出かけて、その管理事務所と直接交渉する方法です。管理事務所に問い合わせれば空いている部屋が分かり、部屋を見学することもできます。分譲コンドミニアムの管理事務所では、所有する部屋のオーナーの希望する家賃や賃貸条件が分かっているため家賃の提示もその場でできます。交渉は英語かタイ語の場合がほとんどですので語学が得意でない方は、確認したい事項は事前に調べて翻訳しておくとスムーズに交渉ができます。
タイで日本人が居住するエリア
タイで外国人が居住するエリアはすでに説明した通りバンコクがほとんどで、その他では日本企業の工場が多いチョンブリ県のシラチャですが、その他の都市にも仕事や生活の都合で日本人も居住します。その中でも北部のチェンマイはリタイアした人たちが住む街として人気です。
しかし、タイの人口はバンコクへの一極集中で交通インフラなども他の都市とは比べ物になりません。バンコクの中でも多くの日本人が居住するエリアが、中心街より東のスクンビットのプロンポンやトンローなどです。このエリアはタイ人の富裕層や外国人駐在員などが多く暮らして、日本語通訳が常駐する病院や日本食スーパーマーケット、日本食レストランなどがあり日本とそれほど変わらない生活ができるので人気です。
このエリアのアパートメントには、居住者の半数以上が日本人で管理事務所には日本人通訳付きの施設もあります。
タイと日本の賃貸住宅の違い
日本でマンションなどの住宅を借りる場合は、エアコンなどは完備されていてもテレビや冷蔵庫などの電化製品や家具一式は自分で用意しなければなりません。
一方タイの住宅は、日本のウイークリーマンションのように電化製品やベッド、ソファーやテーブルなどほとんど完備されているため購入する必要がありません。これらの電化製品や家具はアパートメントの場合は統一されていますが、コンドミニアムは部屋のオーナーが賃貸用に用意するため部屋ごとに異なります。同じサイズの部屋であっても複数の部屋を見学することをおすすめします。
また、入居後に家具が壊れた時や、電化製品が故障した場合にはコンドミニアムでは修繕費用など部屋のオーナーとの交渉になるため、直接オーナーと話をする必要があります。このような時には、日系の不動産会社の仲介で借りた部屋ならオーナーとの交渉の時にも便利です。
タイの賃貸住宅の契約方法と入居後の費用
タイで住宅の賃貸契約の方法は非常に簡単です。日本の場合は保証人や勤務先の証明が必要な場合がありますが、タイではパスポートと現金があればその場で契約ができます。契約が済めばいつでも入居できるため、契約当時からでも入居が可能な場合もあります。
このように簡単に入居できるのは全ての外国人に適用されるのではなく、日本人は部屋を汚さず、トラブルも起こさないためオーナーからすれば部屋を貸しても安心と言うことです。
入居費用としては日本のように権利金や礼金はなく、多くの場合は家賃1ヶ月とデポジット(保証金)として家賃の2ヶ月になり、契約期間は一般的に1年で自動更新です。
・入居後の費用
コンドミニアムとアパートメントの多くはでは入居後の家賃等の支払い方法が異なる場合があります。
1.コンドミニアム
分譲のコンドミニアムでは購入後にも管理費が発生します。賃貸契約時には支払いは家賃のみか管理費も支払うのかを確認しましょう。多くの場合は家賃の支払先は直接オーナー、管理費も支払うのであれば管理事務所になり、水道代は管理費と一緒に請求がきます。
電気代はオーナーの名義で請求が来るので、管理事務所やコンビニなどに直接支払います。
2.アパートメント
管理事務所から直接請求書が来るので管理事務所に支払います。水道や電気代も同様に管理事務所に支払います。
タイで賃貸住宅を借りる時の注意点
簡単に賃貸契約ができて電化製品や家具も備え付けのタイの賃貸住宅ですが、物件を決める前と入居してからはいくつか注意点があります。
普通に暮らしていれば問題はありませんが、長く暮らすといろいろなトラブルも発生します。ここではその注意点について解説します。
1.家族帯同の場合の居住するエリア
仕事で単身赴任の場合は問題ありませんが、家族帯同で学校に通う子供が同居する場合には居住するエリアを考える必要があります。
多くの日本人の場合は子供を日本人学校に通わせますが、タイの日本人学校はバンコクとチョンブリ県のシラチャにあります。それ以外のエリアではインタースクールかタイの学校に通うことになりますが現実的ではありません。
バンコクに居住する場合は、通学はスクールバスを利用することになりますので学校から離れていると通学が大変です。前出のプロンポンやトンロー周辺であれば学校が近いのでおすすめです。
2.部屋の破損や電気製品の故障
居住中に部屋の破損や電気製品が故障することもありますが、そのような時には自分で購入した以外の物は部屋のオーナーへ相談することが必要です。修理や買い替えなどはオーナーの判断になりますので速やかに相談しましょう。そのままにしておくと退去時にトラブルのもとになります。修繕費用などについては退去時にデポジットから引かれる場合があります。
まとめ
タイの賃貸住宅事情について解説しましたがいかがでしたか。タイは日本と異なり契約が簡単で生活用品も備え付けなので簡単に入居ができます。その反面入居後は部屋のオーナーとのやり取りが発生する場合があるため大変かも知れません。そのような時には日系の不動産会社を通しておけば難しいやり取りも任せることができます。物件もたくさん持っていますのでタイで住居を探す時には相談してみてはいかがでしょうか。
こちらの記事の執筆に当たりましてタイ・バンコクの不動産会社スックリビングに協力を頂きました。タイバンコクの賃貸物件をお探しならスックリビング。